アゲハ、キアゲハ

2014.7.31 アゲハ

2014.7.31 アゲハ


前翅の付け根の部分が黒い線になっている。

【 アゲハ(ナミアゲハ)アゲハチョウ科 】
学名:Papilio xuthus
春型:前翅長40~45mm、夏型50~60㎜

食草:サンショウ、イヌザンショウ、カラスザンショウ、
ハマセンダン、各種栽培ミカン類など(ミカン科)

発生回数は寒冷地では年2回、暖地では3-5回

2014.7.20 キアゲハ

2014.7.20 キアゲハ

前翅の付け根の部分が黒くつぶれている。

【 キアゲハ   アゲハチョウ科 】
学名:Papilio Machaon

春型:前翅長40~505mm、夏型50~65㎜

食草:セリ、ミツバ、シシウド、ニンジン、パセリなど
(セリ科)

発生回数は寒冷地では年1-2回、暖地では年3-4回

2014.8.6 アゲハ裏

2014.8.6 アゲハ裏

2014.7.20 キアゲハ

2014.7.20 キアゲハ裏

キアゲハのほうがやはり黄色っぽい。

アゲハ、キアゲハとも春型と夏型とがあり、

ともに夏型の方が大きく黒っぽい傾向にある。

ここに載せた写真は7月~8月撮影のものですべて
夏型です。

昼間は、アゲハ、キアゲハとも結構速く飛び
なかなか写真撮るのに苦労します。

でも、早朝の気温の低いうちなら
このように撮ることもできます。

2014.8.23 キアゲハ

2014.8.23 キアゲハ

一見、姿は似ていますが、

食べ物は全然違うし、幼虫の模様も全然違います。

キアゲハは、子供の頃、家のまわりでは
みかけたことがなく、
貴重品だった。

2014.7.20 キアゲハ

2014.7.20 キアゲハ

大学生になって山登りをするようになって
山頂部に吹き上げられてくるキアゲハを
見たのが初めての出会いのように記憶している。

最近の図鑑をみたら、最近は
キアゲハも市街地の公園などでも増えているようです。

2014.7.31 アゲハ

2014.7.31 アゲハ

【 アゲハに逃げられた~! 】

自分が虫好きになったキッカケのような
以下の思い出がある。

小学校低学年の頃だったろうか。

当時まだ舗装されていない家の前の道で

打ち水をしたのか、水たまりにきて

アゲハが翅を開いたり閉じたりしながら

水を吸っていた。

2014.7.17 アゲハ

2014.7.17 アゲハ

そこにそっと忍び寄り子供用の目の粗い虫取り網を

エイッとかぶせたら、みごと網のなかに

入ったまではよかった。

網をひとひねりしたうえで、網の上から

胸をつかむ、なんて技術を知る由もなく、

網の外枠をそっと地面からあげて、

左手を網の中に差し込んだら

その隙間から、サッと逃げられてしまった。

それが悔しくて、いろんな本や図鑑で

逃げられないようにするにはどうするかを

調べ始めた、ような気がする。

2014.7.25 キアゲハ

2014.7.25 キアゲハ

このことがなかったら、大人になったら

すっかり虫には興味のない人になっていたかもしれない。

子供用の虫取り網はけっこう多くの人が

手にするのに、その後どうして

まったく虫には興味のない人間になってしまうのか

不思議でならない。

こういった体験も私だけに特別の経験でも
あるまいと思うのですが・・・

ツマグロヒョウモン

名前は妻=黒 豹紋 ではなく、端+黒+豹紋です。

学名:Argyreus hyperbius 前翅長:32-40mm ヒョウモンチョウ科といいたいところだが、タテハチョウ科です。

食草:スミレ科のスミレ類各種

メスの翅の先が黒いことから、ついた名前だと、想像できる。メスはカバマダラに似る、というが、私はまだ野生のカバマダラに会ったことがありません。

わりありいゆっくり飛んで、良く止まってくれるので撮影はしやすそうにみえるが、近づくとすぐ逃げる。

これもコンデジの望遠のほうが撮りやすい。年間5-6回発生する。

オスとメスとでは模様が全然異なるが、オスメス共通で後ろ翅の表面の外側に黒い帯が見えるので他のヒョウモンチョウ類とは区別できる。

もともとは南方系のチョウであるが、どんどん北に分布をひろげつつある。栃木でも県南部しか分布していないようです。

2014.8.21 ツマグロヒョウメン メス

2014.8.21 ツマグロヒョウメン メス

2014.8.21 ツマグロヒョウモン オス

2014.8.21 ツマグロヒョウモン オス

2014.8.21 ツマグロヒョウモン メス 裏がみえる

2014.8.21 ツマグロヒョウモン メス 裏がみえる

イチモンジセセリ

2014.8.15 イチモンジセセリ

2014.8.15 イチモンジセセリ

2014.8.15 イチモンジセセリ

2014.8.15 イチモンジセセリ

学名:Parnara guttata  、セセリチョウ科

食草:イネ、イヌムギ、チガヤ、エノコログサ、メヒシバ、

   ススキ、アズマネザサなど各種のイネ科

前翅長:15-17mm

年3回発生、幼虫で越冬する。

秋が近くなってくると、増えてきます。

イネの害虫としては幼虫がイネツトムシとして知られます。

ツトというのは、わらでできている携帯ケースのようなもので

プラスチックケースのない時代は、ツトに卵を入れて

持ち歩いたとか。

なんとも、昔の日本人の知恵はほんと、すばらしい!

後ろ翅の裏の模様が一文字になっていることから、この名がついた。

と思ってる。

結構、個体数は多いですが、カメラを向けるとすぐに逃げていくので

写真には割合撮りにくい方です。

全体のイメージは全身茶色で、派手さはなく、飛び方も

ひらひらからは程遠く、ジェット戦闘機のような翅型や

飛び方から、ガだという人もけっこういます。

でも、それは濡れ衣でちゃんとセセリチョウ科という

チョウの仲間なのです。

でも、本当のところ、チョウとガの境界線というのは

はっきりしておらず、最近の図鑑では

チョウもガも一緒になってるものもあり、

つきあいの長い私には戸惑いもあります。

ハグルマトモエ メス

2014.8.15 ハグルマトモエ メス

2014.8.15 ハグルマトモエ メス

2014.8.15 ハグルマトモエ メス 裏側

2014.8.15 ハグルマトモエ メス 裏側

学名:Spirama helicina (Hübner, [1831])

科:ヤガ科(Noctuidae) シタバガ亜科(Catocalinae)

前翅長:28-33mm

食草:ネムノキ

今日は、オスグロトモエ メスと思われる虫も見て撮影もできたので、さっきのとは違うな、という感じはいたしました。

でも、この2種の模様はほんとによく似ており、なかなか区別するのは難しいものと思います。

オスグロトモエ メスよりは巴模様が大きいということですが、今日みたいに両方見た日でもその差はあまりはっきりしません。

オスグロトモエ メス

学名:Spirama retorta (Clerck, 1759)

科:ヤガ科(Noctuidae) シタバガ亜科(Catocalinae)

食草:ネムノキ、アカシア

前翅長:25-40mm

確かに、このあたりにはニセアカシアがたくさんあります。

web図鑑には「ハグルマトモエに似ているが、本種の方巴紋がが小さく・・・」と書かれていますが、完全にハグルマとわかる虫と比較できるわけではないので、

なかなか微妙であります。

でも、今日はたまたまハグルマトモエと思われる個体も撮影できたので、パッと見、違うなという感じは得られました。

名前のとおり、オスは黒っぽい色をしており、メスとは全然違う色合いです。

とはいいながら、オスをまじまじ見たことありません。

 

2014.8.15 オスグロトモエ メス

2014.8.15
オスグロトモエ メス

キタキチョウ

2014.8.20キタキチョウ オス

2014.8.20キタキチョウ オス

2014.8.20 キタキチョウ オス

2014.8.20 キタキチョウ オス

  止まっている植物はキツネノマゴ

前翅長:20-25mm

食草:マメ科のネムノキ、ニセアカシア、ハギ類など。草本のマメ科にもつく。

以前は「キチョウ」だけだったのが最近になって
キタキチョウEurema mandarina と、 ミナミキチョウEurema hecabeとに分けられた。

2012年発行の図鑑に、「最近」「分けられた」と書いてあるので、調べたら2005年からとなっているサイトがあった。

従来キチョウ一本だったのが、DNA解析により南西諸島にいるものが「キチョウ」、日本本土にいるものが「キタキチョウ」となった。

朝の散歩時にみかけることはほとんどなく、気温が上がってから活動しているのであろう。

モンシロチョウ、モンキチョウよりはひとまわり小さく、翅を開くと前翅のまわりは黒く縁どられている。

モンシロチョウ

モンシロチョウ オス

モンシロチョウ オス 2014.6.3

モンシロチョウ

モンシロチョウ メスっぽい 2014.6.2

モンシロチョウ

モンシロチョウ 2014.6.2

シロチョウ科
学名 : Pieris rapae
前翅長 :25~30mm
食草 : アブラナ科のキャベツ、ブロッコリ、アブラナ、ショカッサイなど、
      イヌガラシ、タネツケバナなどの野生種にもつく

幼虫はアオムシでキャベツなどアブラナ科野菜の大害虫。

アオムシはモンシロチョウの幼虫の正式(?)の名前で

他の青い虫はいくら青くてもアオムシとはいわないようです。

農家の人は、青い虫はみんなアオムシという傾向があります。

農水省管轄の農薬の登録における害虫の名前もこのチョウの幼虫は

「アオムシ」であって、決してモンシロチョウ幼虫ではありません。

他の害虫名はアゲハ、キアゲハ、コナガ、チャハマキ、ヨモギエダシャクなど

となっていて加害ステージがすべて幼虫なのに、区別はありません。

「アオムシ」は別格なのです。それだけエライんです。

他にこんな例は「ヨトウガ」の幼虫として「ヨトウムシ」が

あるくらいかな。

成虫が飛んでるのはよく見かけるが、なかなかとまってくれません。

やっと止まったかと思って近づくと

けっこう、早い段階で逃げるため、写しにくい部類です。

ちょうちょの代表格のような虫で、

日本で初の音楽教科書である「小学唱歌集」に

収められた「ちょうちょ」の題材は

このモンシロチョウではないかといわれています。

歌詞はこうです。

ちょうちょう ちょうちょう 
  菜の葉に とまれ
  菜の葉に あいたら
  桜にとまれ 桜の花の
  花から 花へ
  とまれよ 遊べ
  遊べよ とまれ

菜の葉に止まるのはわかるけど

桜にとまるモンシロチョウの図はあんまりみたこと

ないような気がするけど、

地方によって違うのかな~

ところで、この曲は古いドイツ民謡で

「Hanschen klein(幼いハンス)」という

題名で、これに日本語の歌詞を伊沢修二という人が

つけたのだそうです。へぇ~

1881年(明治14年)のことだって。

キタテハ

キタテハ

キタテハ 2014.5.29

タテハチョウ科
学名 : Polygoria c-aereum
前翅長 :25~30mm
食草 : クワ科のカナムグラ、カラハナソウ、イラクサ科のホソバイラクサなど

成虫は年3回~5回発生と図鑑には書いてあるが

小山では何回なのかはわかりません。

翅の裏と表とでは模様、色合いが全く違う。

成虫はいろんな花、樹液、腐った果実などにくる。

秋遅くまで見られる。

翅裏のCの字の模様から、学名にもCが入っていますが

シータテハとは違います。

シータテハのいる場所は、どちかというと山の方です。

ちなみにシータテハの学名はPolygoria c-album です。

確か、このチョウを始めて採集したときは

中学生くらいの頃だったと思いますが、

網にいれたあと、近づいてみたら

翅の裏側があまりにも地味でガのようであり

思わず手を引っ込めてしまった記憶があります。

当時は、ガの多くがカブレるものと思い込んでおりましたので

そういった行動をとってしまいました。

ガに間違われて、迷惑だったかもしれませんが

最近の図鑑ではガもチョウもごちゃまぜのものが

ありビックリです。

2014.8.20 キタテハ

2014.8.20 キタテハ

 おなかがぼってりしてるから、メスのようです。

2014.8.20 キタテハ

2014.8.20 キタテハ

裏の模様は表とはうって変って地味です。

翅の形には、夏型、秋型があって、ここまでの写真はすべて夏型です。

秋型はもっと翅のふちがギザギザしており、色も鮮やかです。

秋型の写真が見つかったら追加します。

ヒオドシチョウ

ヒオドシチョウ

翅をひらいた一瞬のヒオドシチョウ 2014.6.3

2014.6.9 ヒオドシチョウ こうやって止まることはなかなかありません。

2014.6.9 ヒオドシチョウ
こうやって止まることはなかなかありません。

タテハチョウ科

学名 : Nymphalis xanthomelas

前翅長:32~36mm

食草 :ニレ科のエノキ、ハルニレなど、ヤナギ科のエゾヤナギ、シロヤナギ、シダレヤナギなど

生態:年1回の発生で、成虫越冬。

分布は九州南部・沖縄除く、全国。

●翅の裏と表とでは模様、色合いが全く違う。

止まるときは翅を閉じて止まるがたまに、

パッと開くと鮮やかな赤~オレンジが印象的である。

翅裏は木の皮のように地味な茶色で、同じ個体とは

思えないほど裏表が異なる。

●主に落葉樹林に多いと、書いてあるが、

朝の散歩中でもなかなか会えません。

会えた日はラッキーでなんかいいことありそうな

気分になります。

ヒオドシチョウ

翅を閉じるとこんな感じ。ヒオドシチョウ 2014.6.2

2013.6.10 ヒオドシチョウ 翅の裏は、木の皮のようです。

2013.6.10 ヒオドシチョウ
翅の裏は、木の皮のようです。

●和名のヒオドシは緋縅(ひおどし)のことで

 鎧(よろい)の縅の一。クチナシやキハダで下染めした上

 から紅で染めた紐(ひも)・革緒などで縅すもの。

〔「緋威」 「火縅」 「氷魚縅」とも書く〕

同種の言葉で紫縅(むらさきおどし)があり、

鎧(よろい)の縅の一。紫色に染めた革や組糸

で札(さね)を綴(つづ)ったもの。紫糸縅。

縅(おどし)そのものは 鎧(よろい)の札(さね)

を革や糸でつづり合わせること。また,そのもの。 ということです。

さらに【札】(さね)とは

甲冑(かつちゆう)の材料となる鉄・革の小板。

鱗(うろこ)のように数多く並べ重ね,糸・革でつづる。こざね。

●このチョウは大人になってから

出会ったチョウで、子供の頃の

思い出はありません。

図鑑の中の珍しいチョウでした。

ベニシジミ

ハルジオンの花にきたベニシジミ メス 2014.5.3

ハルジオンの花にきたベニシジミ メス 2014.5.3

ベニシジミメス

ハルジオンの花にきたベニシジミ メス 2014.5.3

シジミチョウ科

学名 : Lycaena phlaeas
前翅長 :15~18mm
食草 : タデ科のスイバ、ギシギシ、ヒメスイバなど

年に4~6回発生。

・畑、公園、草原など明るいところに見られます。

・成虫は春型と夏型とがあり、夏型はちょっと黒っぽい。

・春早くから見られる。秋もいる。

・ヤマトシジミとともに、朝の散歩中では

 いちばんよくみられるチョウです。

・日本のシジミチョウ類は50種くらい

 いますが、全体としては翅表は青から緑の

 金属光沢を持つものが多いなかで

 赤がメインの色合いのものは

 かえって少なく珍しいくらいです。

 ただ、個体数は多いので珍しくはありません。

・また、幼虫時代の食べ物も木の葉っぱを

 食べる種類が多くて、

 草の葉っぱを食べる種類は少なめです。

 なかにはアブラムシを食べる種もいます。

 ベニシジミの場合はスイバやギシギシといった

 雑草が食草のため、どこにでもいることに

 なると思います。

・子供の頃の昆虫標本では常連でした。

 ただ、モンシロチョウなどに比べると

 小さ目なので標本つくりの

 作業はけっこう面倒で

 なかなかうまくいかなかったことを

 思いだします。

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